気まぐれニュース [Vol.15 No.3] 2007.7.31

投稿者 : solo 投稿日時: 2007-07-31 01:00:00 (1009 ヒット)

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気まぐれニュース [Vol.15 No.3] 2007.7.31
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2007年も五ヶ月を残すばかりととなりましたがいかがお過ごしですか?

小田実さんが7月29日に亡くなられたことは、すでにご存知のことと思います。
詳しい葬儀と追悼デモの案内がこのメールの末尾にあります。会場でお目にかかれば幸いです。

告別式 2007年8月4日(土) 午後1時〜3時
会場  東京・青山葬儀場

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オダテン逝去の報に接して
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7月30日の朝刊は参議院選挙の自民党大敗ニュースが一面トップで踊っていた。
三面に今日の午前3時前に胃がん療養中だったオダテンが亡くなった記事が掲載された。
オダマコトは、僕の考え方の父だ。これは僕が勝手に思っていることだが、その理由を少し話そう。
浪人2年目大学受験生が、何気なく参加した「べトナム戦争反対」のデモは、楽しかった。
何回か参加する内に同世代の少年少女が行動する新鮮さに惹かれ、高校時代からの友人とギターを持って
デモに加わるようになった。それは関西の連中がやってきた事に触発された行動だった。
1969年の冬,南大阪ベ平連の坂本さん率いる一行が東京のべ平連デモで反戦フォークを唄いながら歩いた。
その後連れ立って新宿駅西口地下広場を通りがかって、「いいねぇ、梅田地下街よりいいかも」ということで
始めたのが、フォークゲリラ開始のエピソードだ。

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Flat Link Share
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中央集権的発想が当たり前の日本で、反戦平和運動が、個人の自由と責任で広がり、効果を生み出す事に
心を奪われた。
今思い返せば、フラット・リンク・シェアという現代を象徴する動きを先取りしたのが、オダテンの行動と
思想だった。僕が20代初めの頃、オダテンは30代全半で「何でもみてやろう」でヒットを飛ばした小説家だった。
それから約40年間の僕に、最も影響を与え、思考の原点にあったのは、オダテンであり、ナイカクと
呼んでいた30〜40代のベ平連を支えた人々だった。素性の解らない青年がベ平連のナイカク(運営会議の
ようなもの)に何のわだかまりもなく加わり、電車の無くなった深夜、原宿あたりから世田谷までタクシーに
相乗りし、小さな中華料理屋で夜食を食べた。そんな時オダテンが「しんどいなぁ、でもこれから世界の原稿30枚
書かなアカンのや」と言っていた。たわいもない言葉がオダテンといつも結びついてきた。
そう、何か読むべき本がありますか?と尋ねた時に、ナットヘントフのジャズカントリーを読んだらいい。
その後あまりしっかり読み込まなかったので内容は覚えていない。
なんか小田さんの語る内容は、僕の考えになり、いつの間にか小田さんがしゃべっているように受け取られることも
あった。真似てるのではないが、それまでにない感性的な同調を得られたように思う。もちろん小田さん以外にも
いろいろな人たちの影響を受けた数年が、1968年から1970年頃の数年だった。いづ君「論理と倫理を区別して考え
ないといけないよ」と言ってくれたのは武藤一羊さんだった。この言葉は僕の思考回路の大事な部分になっている。

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小田さんの行動力
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ベトナム戦争反対だけの反戦運動を鶴見俊輔さんらと始めた小田さんと同じ発想で、新宿駅西口地下広場で
反戦フォークを歌い始めた当時、歌い手のパフォーマンスの善し悪しで立ち止まる人の数が変わった。僕は人を
立ち止ませることはできなかったが、ゴリは人垣ができた。そのパフォーマンスに相応しい人がいるようだ。
小田さんもベトナム戦争反対のパフォーマンスに相応しい人だった。それは既成の運動とは違う『発想』
『スタイル』『パフォーマンス』であった。1970年代後半から日本ではこんなパフォーマンスも受け入れられ
なくなった。金もうけが全て。閉塞感に覆い尽くされ、息苦しい時代が今に続く。

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小田さんに答える
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1960年代末に小田さんに学んだ僕は、僕なりの発想、考える前に行動する、ことをつい最近まで実行してきた
ように思う。しかし新宿駅西口地下広場のフォークにまつわるさまざまな出来事は、単純な思考を超えるもので
あった。一番大きな問題点は、『効果』とか『目的』といった判断をしてしまうことだ。
人がたくさん集まることは、効果的で、目的達成に近づくという発想を僕が嫌ってきた。反面いつの間にか、
効果を意識して考え、行動する自分がいる。
ぼくも60才を迎えた。これからは、効果を考えない。効果を考えてしまったら、そうでない選択を十分に模索する。
慎重ではないが、目的のためにも功利的にならない自分をつくっていきたい。

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小田さんを追悼するデモ行進(転載)
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告別式 2007年8月4日(土) 午後1時〜3時

会場  東京・青山葬儀場 (地図は、下記のベ平連および私個人のホームページのニュース欄の
「小田実さん葬儀のご案内」に出ていますので、ご参照下さい)

◆電車をご利用の場合 東京メトロ千代田線「乃木坂駅」下車 5番出口 徒歩3分 東京メトロ銀座線・半蔵門線
都営地下鉄大江戸線 「青山1丁目駅」下車 南青山 5番出口 徒歩12分
◆バスをご利用の場合 都バス97番線(新宿駅西口——品川駅前) 青山斎場下車 徒歩1分

主催  小田実氏葬儀委員会(葬儀委員長=鶴見俊輔)

(お通夜は近親者のみで行なわれ、一般の方にはご案内しておりません。)

なお、葬儀委員会の主催ではありませんが、その諒解のもとに、有志がデモを計画しています。
葬儀終了後、斎場から地下鉄「青山1丁目」駅付近まで、小田さん を追悼して行進をします。
15分程度のごく短い距離ですので、ご参加くだ
さいますよう、お誘い申しあげます。鶴見俊輔さんもお歩きになるとのことです。
デモ責任者は、福富節男さんが引き受けておられます。

なお、生花や弔電を送られる場合の方法などは未定です。
決まり次第、下記のベ平連や私個人のホームページに掲載しますので、ぜひそちらをご覧下さい。、

吉川 勇一
URL(吉川個人):http://www.jca.apc.org/~yyoffice 
(ベ平連)http://www.jca.apc.org/beheiren
(市民の意見30の会・東京)http://www1.jca.apc.org/iken30/

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