2021年の米づくり(12)

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「僕はなぜ米をつくるのか」10回目の米づくり


「僕はなぜ米をつくるのか」というテーマで、10回目の米作りについて書こうと思っている。
田舎暮らしを始めて、目の前に広がる田んぼで米をつくりたいと思うようになった。

1.2012年正月に「米作らんね!」と声をかけられ、6月の田植えから米作りが始まった。
http://tano9.com/2012/11/01/why-will-i-make-rice-1/
2.あっというまに売り切れ、ほ場も広がった
http://tano9.com/2013/12/31/why-will-i-make-rice-2/ 
3.米づくり3年目は2町歩を超えた
http://tano9.com/2014/12/31/why-will-i-make-rice-3/

3ヘクタールもの広い田んぼで米づくりをするために、田植え機、トタクター、肥料散布機、コンバイン、乾燥機、もみすり機、精米機などを購入した。無農薬・有機栽培のお米を販売するには独自販売しか道はなかった。
なぜ、無農薬・有機栽培にこだわるのか? これが「僕はなぜ米をつくるのか」の答えになるだろう。

1.慣行栽培から無農薬栽培へ
慣行栽培は、「慣行」という言葉が表すように従来型の栽培技術だ。 病虫害の駆除・防除および除草のために農薬を使用し、生育促進および収量増加のために化学合成肥料を主に使用する。日本においては戦後に普及し、戦後復興に不可欠だった食糧増産に大きく貢献した。
僕の米づくりも、前作者の慣行栽培を引き継いだ。最初は化学合成肥料を使ったが、数年後に有機発酵肥料に切り替えた。ヘリコプター防除による農薬散布は最初から頼まなかった。一方で除草剤を使わない栽培法を探し続けた。「農と自然の研究所」代表宇根豊氏の書籍で、1993年より佐賀県の「稲守貝研究会」が、稲守貝(ジヤンボタニシ)による水田除草を行なっている事を知った。そのノウハウは、宗像市の「農業福島園」福島光志 さんから『たっぷり水を入れ、稲の葉が浮いてきたら、水を落とす』という助言で、リンゴガイ農法としてまとまった。
思い返せば、水稲栽培を始めた時から、農薬・除草剤不使用の有機栽培を志向していたのだ。なぜだろう?

2.環境破壊と枯葉剤
2-1.僕は深海底4000メートル付近に分布する「マンガン団塊」の成因を研究していた。このマンガン団塊は、鉄・マンガン・ニッケル・コバルト他の有用金属の集合体なので、世界はその採掘を目指していた。しかし現在に至るまで採掘は行われていない。採掘のために4000メートルの海水を攪拌することが、海洋環境に計り知れない影響を与えるからだ。レアメタルが枯渇し、環境破壊を顧みない深海底開発が行われないことを願っている。
2-2.次に枯葉剤だ。1969年6月の新宿駅西口「地下広場」で、反戦フォーク集会が毎週行われた。僕は、反戦フォークの合間に、ベトナム戦争で非人道的な枯葉剤が散布されていることを話した。枯葉剤は、ベトナム戦争で、ベトコンの隠れ場となる森林の枯死、およびゲリラ支配地域の農業基盤である耕作地域の破壊が目的であったといわれる。枯葉剤は1964年以降から1975年にかけてゲリラの根拠地であったサイゴン周辺などに、とりわけ、大量に撒布された。ダイオキシン類のなかでもっとも強い毒性を持つTCDDは非常に毒性が強く、動物実験で催奇形性が確認されている。現在使用されている除草剤は、枯葉剤とはことなるが、グリサホート(ラウンドアップ)などは発ガン性が指摘されたり、根まで枯らすので路肩崩壊などを起こすと指摘されている。反戦フォーク集会で枯葉剤散布を非難した僕は、同じ効果を期待して除草剤を散布することはできなかった。

1と2の理由で環境に配慮した、安心・安全な米づくりを目指した。農薬・除草剤を使わないで、最低限の有機肥料で有用植物を栽培するのをモットーとした。有機栽培を志向した理由はこんなところだろうか。

3.無農薬有機栽培といえば「JAS有機」だ。国の認定を受けた有機栽培でないと「無農薬」という言葉を生産物に対して使うことができない。「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下の農業生産の方法を用いて行われる農業だ。『化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない遺伝子組換え技術を利用しない農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
「JAS有機」認証を取得するためには、周囲のほ場と定められた距離がないと難しいので、上記条件はクリアしているが「無農薬」という言葉を使うのは諦めた。化学的に合成された肥料及び農薬を使用していないことは、福岡県エコ農産物認証を取得することで客観的に証明されている。
ふくおかエコ農産物認証を全てのほ場(約35ヘクタール)で取得し、認証番号は以下の通りである。1511292(うるち米)2011675(もち米)
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